
近年、空き家対策法や不動産に対する考え方の変化から空き家を管理する方が増えています。前向きな取り組みとして、まずは放置された家財を片付けたいという声もいただきます。そこで、ここでは初めて住まいを片付けようとする方に向けて一例をご紹介いたします。
自分で片付けるイメージ

空き家を空っぽにすることを「住まいのお片付け」などと言います。そのため「かたづけ」のイメージがあると思いますが、実際は「引越し」に近い作業です。屋内、屋外の全てを搬出するからです。ご自身で取り組む場合は、引越しするつもりで考えてみるとよろしいと思います。
片付けの手順は?

スムーズに片付けるために、押さえておきたいポイントをまとめました。
計画をたてる
まずはしっかりと計画を作る上で押さえておきたいポイントです。
- 駐車場の都合
- 階段があるか(搬出が大変になる)
- ゴミ捨てのルール
- 重たい物、大きい物の処分
- 屋外のもの(わすれやすい)
- 電気、水道が使えるか
- エアコン、ヒーターがあるか
実際の作業になると、思わぬことに時間を取られることもあります。例えばトイレが使えない状況では、その度に外出を余儀なくされます。エアコンが効かない夏場の作業も効率が悪くなります。
必要なものといらないものを仕分ける
必要なものといらないものを仕分けましょう。思い出の品、形見の品、資産価値がある有価証券、骨とう品、絵画などは取っておきましょう。高価なものが出てきたときは、資産として申告が必要な場合があります。心配な物ははっきりするまで手元においておきましょう。いらないものはゴミ、とすぐに判断せずリユース・リサイクルを考えてみます。リサイクルショップ、不用品回収で売却、回収できるかもしれません。資源ごみになるものも丁寧に仕分けします。
【ワンポイント】ゴミ袋にゴミを入れすぎると、ゴミ袋が破けたり重すぎになります。
ゴミを処分する
ゴミは自治体の収集に出しますが、自治体により一度に出していいゴミ袋の数が決まっていたり、片付けや引越しの時は直接クリーンセンターに持ち込むルールになっている場合もあります。必ずルールを確認しておきましょう。また家電の中には勝手な処分が許されない物もあります。法律にしたがって適切に処分することが求められます。
最後に清掃する
清掃の程度は、空き家の活用方法により異なります。
解体の場合:簡易清掃で十分でしょう。
賃貸物件にする場合:清掃業者に委託しましょう。
空家として保有する場合:きれいに掃除しましょう。
きれいに掃除するときは、掃除機、洗剤を使用しましょう。窓を開けて風を通し、ほこりや湿気の対策をします。屋外の草刈りなども行います。空き家を放置すると様々なトラブルの原因になることがあります。はじめにしっかり掃除することで、その後の管理が楽になります。
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空き家を片付ける費用の相場は?

業者に空き家の片付けを依頼した場合、どのくらい費用がかかるでしょうか。費用は、業者によりかなり差があります。全てをゴミとして処分する業者もあれば、リユース・リサイクルで有効利用する業者もあります。とにかく1日で終わらせる業者もあれば、効率重視で作業する業者もあります。ここでは、一般的な空き家の片付けにかかる費用の相場を間取り別に紹介いたします。
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1R 3万円~10万円
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1LDK 6万円~15万円
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2LDK 10万円~20万円
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3LDK 15万円~30万円
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4LDK 20万円~40万円
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こちらはあくまでも目安です。費用は、現場の状況でも大きく変わります。一般論として、割高な業者は広告費、人件費をかけています。割高になりやすい環境は以下のような場合です。
・搬出作業が大変になる(駐車場が遠い、階段がある など)
・養生が必要(マンション など)
・大型、重量物が2階にある(一戸建て2階の冷蔵庫 など)
・ゴミの割合が多い(廃棄物が多い場合 など)
空き家の片付けを業者に依頼しますか?
空き家の片付けを業者に依頼する場合のメリット、デメリットを考えましょう。
業者を利用した際のメリット
メリットと言えば、労力負担が軽くなることです。片付け作業はすべての家財を搬出しするので力仕事に自信が無ければ業者を利用しましょう。空き家の場所が自宅から遠い場合や多忙な方も業者の利用がスムーズです。急ぐ場合は費用は高くなりますが、特急で対応してくれる業者もあります。
業者を利用した際のデメリット
デメリットと言えばお金がかかることですが、自分で作業してもお金はかかります。良心的な業者に出会えれば費用を抑える相談にも乗ってくれます。そうすれば費用はさほど大きなデメリットになりません。
あまり意識されないデメリットは見えていなかったものは回収されることです。回収業者は作業する前に家財のチェックを促すのは、お客様にとって大切なもの、資産価値があるものを回収しないためです。しかし、チェックしても見えなかったものは不用品と共に回収されます。回収品には、しばしば、へそくり(現金)や、ネックレス・指輪(貴金属)などが含まれます。そのような貴重品でも回収業者は気にせず(むしろ率先して)回収します。お客様も気づかずに回収され、それが手元に戻ることはありません。少数ですが、お客様の意思に反して回収されたものを返却する業者もいます。
必ずしも一発で良い業者に巡り合うとは限りません。業者の性格を見抜くことは難しいことですが、良い業者は下見の段階で丁寧なヒアリングをするものです。ヒアリングもそこそこに下見を終えるようであれば、面倒でも他の業者にも見積もりを依頼しましょう。
良い業者を見抜くコツ
「良かった」と言える業者は、どのようにえらべばいいのでしょうか。
良い業者を選ぶコツ!
ズバリ!
良い業者は、処分する家財を大切にします!
家財を大切にするとは、大きく2つ意味があります。
1. お客様が手元に残したいものは回収しないこと
① お客様が手元に残したいものを丁寧にヒアリングする
② 回収しないものを確実に見つけ出すため、現場で丁寧に仕分け作業をする
③ 万が一回収品に混ざって持ち出された場合は、お客様にお戻しする
2. 回収品を丁寧に取り扱う
① 不用品は、適切に売却するため丁寧に仕分けする
② 売却益は、お客様に還元する
③ 利益よりリユース、リサイクルを優先する
不用品の価値は業者とお客様でギャップがあります。お客様にとって「不用品」はゴミ同様ですが、業者には売却できる価値あるものです。良心的な業者は不用品を適切に売却し売却益をお客様に還元します。対してお勧めできない業者は不用品の価値を明かさず、理由をつけて急いで丸ごと回収しようとします。「特急」「乗せ放題パック」「何でも回収」というキーワードは要注意です。
良い業者を判断する方法もあります。
良い業者の特徴
・家財について、お客様の意向を丁寧にヒアリングします。
・家財を丁寧に仕分けます。
・万が一、お客様が手元に残したいものが回収されたときの説明をします。
・不用品の処分方法、売却について説明します。
・捨てることより活かすことを優先します。
これらはお客様から要望することではなく、業者が率先してすることです。
業者選定の参考になれば幸いです。
こんな業者に気を付けて
私が推薦したくない傾向をまとめました。絶対ダメということではなく、目安として参考になれば幸いです。
作業日数がはやい
「急いでないけれど、遅いより早い方がいい」特に急ぐ事情がなければ、そう言うお客様が大半です。そこで作業が早いことをウリにする業者もいます。特に急ぐ必要が無ければ、通常は作業効率を考えます。効率が良い日数、人数、トラック数があるからです。それはお客様にとっても割安になり、業者も利益が出る理想の仕事です。
早い作業日数を売りにしている場合は気を付けましょう。効率より、業者自身の都合を優先しているかもしれません。
何でも回収する
「何でも回収する」そういう場合は、ゴミも回収するのでしょうか。ゴミを回収できるのは収集・運搬する許可を得た一般廃棄物運搬事業者だけです。許可業者は、家財・不用品を「ゴミ」として、全て回収します。回収費用は、一般的にかなり割高です。通常の不用品回収業者や便利屋は、ゴミを回収できません。法律違反だからです。
このような事業者の「何でも回収します」は要注意です。お客様も違法に廃棄していることになります。お客様にはゴミの排出者としての責任があり違法な廃棄を知らなかったとしても責任を問われることがございます。
はやい・やすい・なんでも回収
私は、この三拍子がそろっている業者を知りません。耳触りは良いですが、私は推奨しません。
「早い」場合は、料金が安くなることがありません。
「安い」場合は、日程が早いことがありません。
「何でも回収」する場合は、早いのですが割高です。
三拍子そろっている場合は、追加料金を請求されたり、違法な廃棄の疑いさえあります。もちろん、企業が努力して広告しているケースはあると思います。そうだとしても「どこよりも早く、どこよりも安く、何でも持って行く」イメージは、疑問です。通常は成立しない三拍子をどのように成立させているか想像すると、お客様からの回収品で荒稼ぎを狙うカラクリです。こういう業者の見積価格は、なんだか腑に落ちないものです。高く感じても作業費、買取り額などを丁寧に説明してお客様に理由が伝わればよい業者だと思います。
当社の特徴
ここからは、当社のCMです。
当社の特徴はバランス型です。「早い」「安い」「何でも回収」のバランスを考えています。お客様の都合を聞いた上で、最も効率が良い提案を致します。ニーズが多いのは、次のようなスタイルです。
内容:
・家財を残すもの、回収品、ゴミに仕分けをする
・回収品はすべて撤去する
・ゴミは自治体ルールに従い袋などにいれてまとめる
・空き家の簡易清掃(掃き掃除程度)
・エアコンの無料撤去
回収品の処分方法:
・海外リユース(タイ、フィリピン、南米、ブルガリア、アフリカ諸国など)
・国内リユース
・材料リサイクル
※売却できない場合でもリサイクルできる場合は、ゴミにせず資源として活用いたします。
作業者:
・代表の中村が基本
・必要によりスタッフ+1名(通常1名、最大2名)程度
作業日数:
・3LDKで約5日程度
料金:
・作業料金+必要経費-回収品の買取額(=平均10万円前後)
報告:
・毎日の報告(メール、LINE)、回収品のリユース、リサイクル報告
ゴミの処理:
・お客様
※ご希望があれば、クリーンセンターで処分するお手伝いサービスいたします。
※ご希望があれば、粗大ゴミの手配いたします。
